コーヒー豆の保存方法や一番美味しい飲み頃は?【焙煎士のオススメ】

世の中でコーヒー豆の保存方法についてたくさんの意見があります。

どれが正解かはわからない人も多いと思うので、個人的に検証してオススメだと思う方法をご紹介します。

SHU|日向珈琲

この記事を書いたスペシャリスト

3年間のオーストラリア留学を経てコーヒーの道へ。

日本スペシャリティコーヒー協会(SCAJ)認定コーヒーマイスターで、焙煎士として大会日本一の経験がある。

現在は宮崎県日向市で自家焙煎店の代表兼メインロースターとして、丹精込めてローストしたコーヒー豆を全国にお届けしています。

日向珈琲|オンラインストア

目次

コーヒーには飲み頃がある

コーヒー豆の保存方法において、切っても切り離せない内容として、コーヒーの飲み頃についてお話ししていきます。

まずは、一般的に「コーヒーは焙煎直後が美味しい!」と思う人が多いのではないかと思います。

世の中の食べ物の大半が経験上、一番鮮度が良い状態が美味しいため仕方ありませんね。

エイジングという概念の存在

スペシャリティコーヒーにおいて、エイジングという言葉が存在します。

過去にはコーヒーが焙煎してから時間が経つことに関して、「豆が酸化する」としてネガティブな表現をすることがありました。

今では、焙煎後のコーヒー豆をあえて寝かせることで、さらにフレーバーを引き出すエイジングが業界の常識となっています。

特にスペシャリティコーヒーの浅煎りのコーヒー豆に関しては、最低でも一週間ほど寝かせたほうが明らかにフレーバーを強く感じるものが大半です。

浅煎りのコーヒー豆は、エイジングすることでよりフレーバーが発達する。

オススメの飲み頃(早見表あり)

結局、飲み頃はいつがいいの?と聞かれたら、それはお店によりますと言う回答になりそうです。

それがなぜなのかも、軽く触れておきます。

ここからは個人的にこれまで様々なコーヒーを飲んできた中で感じることは、どのような焙煎機でどのように焙煎したかによってエイジングの経過が全く違うと考えています。(まだまだ検証中…)

と言うことで、下に大体の目安として表にまとめてみました。

飲み頃早見表(焙煎日より/豆の状態での保存)

直火式焙煎機半熱風式焙煎機熱風式焙煎機
浅煎り(不向き)7日目〜14日目14日目〜30日目
中煎り3日目〜7日目5日目〜14日目14日目〜30日目
深煎り3日目〜7日目3日目〜10日目(不向き)
焙煎環境や焙煎度の程度によって大きく変わります。あくまでご参考までに。

なぜ、ここまで変わるのかと言うと、おそらく多くの要因は「焙煎時のかけるコーヒー豆へのダメージ」です。

最近国内でもだいぶ普及してきた「熱風式」の焙煎機(例:LORING SMART ROASTER)などは、焙煎時に豆へ焦げ付きなどが非常に少ないです。

LORING SMART RASTER |株式会社DCS公式HPより引用

熱風によって豆へ熱を加えていくので、熱したドラムへの接触によるコーヒーのフレーバーのクリーンさを阻害する余分な焦げ感が小さくなります。

(分かりにくくてすみません。要は余分や雑味などが出にくいと言うことですね。)

ただしこの場合、焙煎後に1ヶ月以上寝かしたしたコーヒー豆の方が強くフレーバーを感じるなど、エイジングに時間がかかるものもありました。

逆に直火式の古い焙煎機を使用している場合、飲み頃が早い傾向にありました。

そもそも深煎りがメインのお店だと思うので、早めに飲んでくださいとお伝えされることが多いのはそのためだと思います。

ちなみに日向珈琲は、「半熱風式焙煎機」を使用していて、ちょうど直火式と熱風式の中間地点です。

国内でも多くのロースターさんが「半熱風式」を採用されているはずです。

本当は、コーヒー豆によってプロファイル(焙煎レシピ)を変更しているので、「この豆の飲み頃は〇〇!」と言いたい。

ですが、そこまではなかなか伝えるのが、大変ですしね…一旦、上の表を参考にしてもらえたらと思います。

あとは、いつも飲み頃で飲もうとすると大変です。

個人的には日々、コーヒーのフレーバーがどのように変化していくのかを楽しみながら飲んでもらいたいですね。

日向珈琲のFUJI ROYAL-R105は、昭和後期の旧型を半熱風式にカスタムしています。

エスプレッソは例外

ちなみに余談として、エスプレッソだけは、抽出の関係で深煎りでも1ヶ月以上寝かせることがあります。

難しい話はおいておいて、コーヒー豆の品種や抽出方法が変わると正解が変わるのは不思議ですよね。

こちらもいつか詳しい内容を記事にできたら良いですね。

オススメの保存方法

さて、コーヒーの飲み頃を理解してもらったので、その上で保存方法もお伝えします。

日向珈琲は飲み頃までと飲み頃以降で保存方法は変えるべきと考えています。

・飲み頃までの保存方法
・飲み頃以降の保存方法

飲み頃までの保存方法

飲み頃までは、市販で売っているような直射日光を遮断するキャニスターに常温で保存するか、もしくはアルミバッグに入れて常温がオススメです。

上記の「飲み頃早見表」を参考にしながら、直射日光の当たらないところで保管してください。

ちなみに日向珈琲では、最初からアルミバッグに入れてあるので、そのまま常温保管で大丈夫です。

飲み頃以降の保存方法

さて、ついたくさんコーヒーを買いすぎてしまったことってありませんか?

私もついほしい豆がたくさんある時に飲み切れないことが多々あります。

そうこうしていると、飲み頃も逃すこともありますよね。

そんな時はアルミバックに入れて冷凍庫保存がオススメです。

冷凍庫に入れることによって、飲み頃のピークを長く持続することができます。

もちろん、一番美味しい時に飲むのがベストではありますが、もし困ったら実践してみてくださいね。

先ほどもお伝えした通り、日向珈琲では、最初からアルミバッグなのでそのまま冷凍庫に入れてもらって大丈夫です。

コーヒー豆は冷凍庫から出してすぐ使える

おそらく心配になるのが、コーヒー豆って冷凍しても大丈夫なの?と思いますよね。

コーヒー豆は焙煎後には、水分値が2%〜4%になるのでほとんど水分が残っていません。

なので、そのまま粉にしてシャリシャリになるような心配はありません。

すぐにドリップしてもらっても大丈夫ですよ。

これまで幾度となく試してきましたが、冷凍庫での保存で大きくフレーバーを損なうことはなかったのでご安心ください。

使用時の注意点

ただし、注意点もあります。

一度冷凍庫での保存をすると、アルミバッグを外に出してそのままにしておくと、コーヒー豆が結露してダメになってしまいます。

必要な分のコーヒー豆だけを取り出して、速やかに冷凍庫に戻してあげることをオススメします。

もし、全部やるのが大変だと思ったら

ここまで紹介してきた内容を全部するのは、なかなか大変だと思います。

コーヒー屋としては、それはベストな状態で飲んでもらいたいのは山々なのですが、ご家庭でやるのは大変だと言うこと分かります。

もし、大変だと思ったら、袋ごと冷凍庫に入れてあげましょう。

これで豆が劣化して、全く飲めなくなるほどフレーバーが落ちることは減ります。

ただし、前述したように必ず分量分出したら、冷凍庫にすぐしまうこと

これだけは絶対に守ってくださいね。

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よかったら合わせて読んでみてくださいね。

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まるでワインを嗜むように。

コーヒー豆は生産国、もっと言えば農園によってそろぞれ特徴が違うものです。

毎日何気なく飲んでいるコーヒーにも、本当は一つひとつ個性があります。

日向珈琲では、これまでコーヒーについて知らなかった人も「同じコーヒーでもこんなに違うんだ」と知ってもらえるキッカケづくりができたらと思っています。

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この記事を書いた人

SHU|日向珈琲のアバター SHU|日向珈琲 【Coffee Roaster-SCAJ RMTC/ Coffee Maister certified by SCA】

日向珈琲・代表兼メインロースター|「珈琲で生きる。」がテーマ。小さなお店のマスターとして、毎日コーヒーのことばかり真剣に考えています。 大会日本一の経験のある焙煎士として、丹精込めてローストしたコーヒー豆をお届けいたします。

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